アトピーの根本的なかゆみ対策には、過酸化脂質を減らすことが鍵である理由

痒いアトピー性皮膚炎の「かゆみ対策」には、「皮膚バリアの問題」と「炎症の問題」に対処する必要があります。

①「皮膚バリアの問題」は、身体の外側から内側へのアプローチ

②「炎症の問題」は、身体の内側から外側へのアプローチだと考えて下さい。

この「皮膚バリアの問題」と「炎症の問題」は、相互に関係しており、どちらが一方の問題が大きくなることによって、相乗的に「アトピーの症状は悪化」していきます。

ですので、「アトピーの痒み対策」としては、「皮膚バリアの問題」と「炎症の問題」を両側面から見ていく必要があります。

そして「皮膚バリアの問題」と「炎症の問題」のどちらが、アトピー症状を引き起こす要因として大きいかと考えると、私は

「皮膚バリアの問題」<「炎症の問題」

と考えています。

というのも、大きな火傷を追って「皮膚バリアが損傷」した人がいた場合、必ずしも慢性的なアトピー症状に発展していっているかというと、そうとも言えないケースが多いと思います。

それよりも、身体内部に炎症の問題を抱えている人が、その痒みによって「皮膚バリア」を掻くという行為によって傷が出来ることによって、「アトピー性皮膚炎」の症状が慢性化してしまっているケースが多いと感じます。

では、身体内部に発生する「炎症」ですが、これは何が起因になって「炎症」は発生しているのでしょうか?

その答えの1つとして、「過酸化脂質」が挙げられます。

この「過酸化脂質」ですが、「コレステロール」や「中性脂肪」といった脂質が、活性酸素によって、酸化したものの総称として定義されています。

また、その他の炎症を引き起こす要因として、

・ダニ

・花粉

・バクテリア

なども、一要因として考えられます。

この「ダニ・花粉・バクテリア」などは、身体の外部からの侵入によって、痒みが発生する典型的な要因になりますが、皮膚のバリア機能が破壊されてしまっていると、こういった「痒みの元になる異物」が外部から侵入しやすくなります。

また、冬などは季節的な要因として、空気が乾燥しますが、皮膚が乾燥すると痒くなる事が多いですが、それは乾燥することによって、レンガ状に積み重なった皮膚細胞の隙間から、異物が混入しやすくなるからです。

良くアトピーの人は、「フィラグリン」という表皮の顆粒細胞で産生されるタンパク質が不足しがちだと言われており、「フィラグリン不足」による皮膚のバリア機能の低下を良く指摘されます。

この「フィラグリンの産生」ですが、遺伝的な要因でアトピー性皮膚炎の患者さんは、元々「フィラグリンの産生」がしにくい体質であると言われてきた背景がありますが、これは実は遺伝的な要因というよりも、後天的に炎症が発生している状態において、「フィラグリンの産生」が産生されにくいといったデータが出てきていますので、スキンケア次第で皮膚の状態は改善していきますので、親が元々乾燥肌だからといった理由で、あきらめてしまうといった事はしない方が良いでしょう。

そして、冒頭で出ていた「炎症の元である過酸化脂質」ですが、「プロスタグランジン」などは植物油脂を原料にしていますので、食べ物のラベル表示を見て、「植物油脂」の表記があった場合は、出来るだけ避けるようにした方が無難です。

また、オメガ3は、抗炎症作用に優れた効果を発揮する言われており、アトピー治療の柱として、オメガ3を積極的に摂取する事が推奨された時期がありましたが、実はオメガ3は非常に酸化し易いといった側面もあり、一時的な摂取であれば、それほど問題にならないと思いますが、長期的に摂取し続けた場合は、酸化した油を身体に溜め込むことになるので、アトピーの症状を抑制するどころか、逆に症状を悪化させてしまう容易になりえます。

ですので、長期的にオメガ3をサプリメントなどで、摂取し続けることは、避けた方が無難です。

アトピーの症状は、必要以上に身体に溜め込んでしまった「過酸化脂質」を排出しているとも言えますので、痒みを抑制することも必要ですが、身体の代謝をあげて、積極的に「過酸化脂質」を排出していくといった事をしていかないと、根本的にアトピーの症状はなくなっていきません。

まとめると、出来るだけ身体の代謝をあげて、「過酸化脂質を排出していく事」が、アトピーの症状を無くしていく、根本的な取組みであり、食事の内容を見直したり、運動をするなどして、過酸化脂質の無い身体に近づけていくことが、とても重要になってきます。

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