副腎の疲労とアトピーの悪化の関係性について

ここでは、まず副腎の役割を説明してから、なぜ副腎が疲労することが、アトピーの悪化につながるのかについて、説明していきます。

■そもそも副腎の仕事って何?

副腎は、腎臓の上にちょこんと、半月状の形をした小さな臓器になります。
重さは両方合わせて5g位です。

副腎は「ホルモン」を作る仕事を担っています。
ホルモンとは、体のモードを切り替えるスイッチのような役割があります。

例えば、本サイトでも紹介している「メラトニン」は睡眠を担うホルモンですが、このメラトニンが分泌されることで、良質な睡眠を得ることが出来ます。

この副腎から分泌されるホルモンは「ストレスホルモン」と呼ばれており、
・アドレナリン
・ノルアドレナリン
・ステロイドホルモン
になります。

このステロイドホルモンというのは、アトピーの方なら、一度は皮膚科で処方された経験があるかと思いますが、「副腎皮質刺激ホルモン」と俗に言われるステロイド剤と同じような作用を持つものです。

この「副腎皮質刺激ホルモン」は人工的に作られたホルモンで、人間は元来自ら「ステロイドホルモン」を作ることが出来るのです。

 

このステロイドを作る以外にも、
・過剰な免疫を抑える。
・炎症を抑える。
といった役割を担っています。

このステロイドホルモンですが、ストレスを感じたときに出てくるものです。
なので、副腎は、ストレスを感じたら、「ステロイドホルモン」を出すという仕事を担っているのです。

 

■ストレスとはそもそも何なのか?

それでは、ストレスとはそもそも何なのでしょうか?
ストレスの元々の語源は、工業用から来ているのですが、物質にある負荷がかかった状態の時を、ストレスを受けているといった表現をしたりします。

ただ、それは物質の時の話になりますが、人間にストレスを用いる場合は、
・危険回避の機能
と考えると良いと思います。

自分の身に危険が迫った時というのは、
・いかにしてその状況から抜け出す
・その状態の真っ向から立ち向かう
の2点だと思います。

このような状況に直面した時は、
自律神経が交感神経寄りになり、血液の流れが変わります

内臓に回っていた血液が、脳に回って頭の回転を早くして、より情報処理を早く出来るようにします。

また、脳以外にも手足に血液が回るようになり、素早く動ける状態に切り替わったりします。
こうして体の状態が、その自分の身を回るためのモードに切り替わります。

そして、このモードの切り替えをやっているのが、「アドレナリン」や「ステロイド」になるのです。
身の危険が迫ると、副腎が働きはじめて、体中に「アドレナリン」や「ステロイドホルモン」を放出して、戦闘モードに切り替わります。

 

■ストレスとアトピーの関係とは?

良く医者などから、ストレスは体に悪いからと言われたことってあると思いますが、そもそもストレスって、なんで体やアトピーに良くないのでしょうか?

ストレス過多による自律神経の偏り

現在は、なにかとストレスが多い社会です。
会社の仕事にしても、家での育児・家事など、やることは多くありますが、近年の不景気によって、見えない不安を抱えながら、生きている方も多いですね。

人間がストレスを受けると、自律神経が交感神経に切り替わり、副腎もフル稼働することは、上記の説明しました。

そのストレスがひっきりなしに襲ってくる状況になると常に副腎はフル稼働し、その分、血液は脳や手足などには回るようになるのですが、内臓には回りにくくなるので、内臓の機能が充分に発揮出来なくなります。

内臓に血液が回らないと、胃腸の消化吸収も悪くなり免疫もその力を十分に発揮できません。
胃腸などの働きが悪くなって、免疫も低下すれば、細菌やウィルスなどへの抵抗力が落ちます。

特にアトピーの方は、胃腸が弱い場合が多いですが、それに輪をかけて胃腸の機能が低下して、それが起因となって腸内環境が悪化しますので、アレルギーが悪化します。

 

■副腎の疲労による機能停止

副腎は元来危険があった時にその仕事をするように作られているので、長時間働き続けるのは得意ではありません。

ストレスを受け続けていると、やがて副腎は疲労し、ステロイドホルモンを作ることが出来なくなってしまいます。

副腎がしっかりと機能していた時は、副腎から出るステロイドによって免疫の過剰な働きが抑えられていたので、アレルギー体質があったとしても、症状は前面で出ませんでした。

また、副腎は炎症を抑える機能もありますので、副腎が充分に機能しないと、炎症を抑えることが出来なくなるので、アトピーの症状は悪化します。

なので、いかにして副腎をしっかり働かせるかという点は、痒みを抑えて、アトピーを治していく点で、とても重要になってきます。

 

■ビタミンCをしっかり補給する

副腎から作られるステロイドホルモンは、「ビタミンC」と「コレステロール」から作られます。
ビタミンCは、水溶性のビタミンになるので、数時間で尿として排出されてしまうので、体内に溜めておくことが出来ません。

ですので、毎日の食事からきちんと取るようにしましょう。
一番良いのが食事からですが、どうしても食事から取れない場合は、一時的にサプリメントを使うのもありかと思います。
1日1000mg位は、取るようにしましょう。
また、マグネシウムも抗ストレス作用があるので、積極的にとった方が良いでしょう。

副腎疲労をやわらげるビタミンB2、ステロイドホルモンの産生を助けるナイアシン、パントテン酸など、ビタミンB群もとても大切です。

ちなみに、ビタミンCは「レモン」や「アセロラ」、「ピーマン」などに多く含まれています。
マグネシウムは、「にがり」に多く含まれているので、お味噌汁などに入れて飲むのが、良いのではないかと思います。

 

■腸内環境を整える

ここでも腸内環境を整えることが出てきましたが、腸内の善玉菌は、ステロイドホルモンの産生を助ける働きをします。

なので、
・腸内細菌を増やすオリゴ糖や、乳酸菌をとる。
・発酵食品をとる。
・食物繊維をとる。
などを取り入れて、腸内環境を改善することが、副腎の機能を回復させることにつながっていきます。

 

■リラックスする時間を多くとる

副腎はストレスに晒されすぎると、疲弊して次第に機能が低下してしまうことは上記で説明しました。
なので、ストレスといった緊張状態を持続させないように、意図的にリラックスする習慣を取り入れるのが、有効的です。

例えば、
・夜はシャワーではなく、必ずお風呂に入り、交感神経を休ませる。
・音楽や読書、趣味など自分がリラックスできる時間を多くとる。
などを生活の中に取り入れていくと、徐々に変わってくると思います。

以上が、副腎の疲労とアトピー悪化の関係の説明でした。

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