「ザ!世界仰天ニュース」の脱ステロイド療法を見て感じること

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9月に放送された「ザ!世界仰天ニュース」の中で、脱ステロイド療法が取り上げられました。私も放送を見たのですが、ポイントとしては若い女性の方が、ステロイドを顔に使って症状の改善を試みたが、改善しなかった。そして色々調べた結果、脱ステロイド療法がある事を知り、実践した。その結果、最初は大きなリバンドに苦しみ、紆余曲折があったけれども、約1年後には、ほとんど症状が無くなったという内容でした。

この番組の放送後に、日本皮膚科学会などが番組に抗議をし、番組側が謝罪するまでに追い込まれてしまいました。
確かに標準治療(ステロイド)を推進する学会側から見れば、黙っていられない内容かもしれません。脱ステロイド療法は、標準治療(ステロイド)の真逆の治療方法なので、こちらが一般的になれば、学会側の立場が危くなるのは、容易に想像出来ます。

私自身は約16年前に脱ステロイド療法を実施し、今ではかなり健康な皮膚を取り戻しました。「ザ!世界仰天ニュース」の女性の様に、1年で改善した訳ではありませんが、数年かけてゆっくり改善していったケースです。

約16年前だと、今ほど「脱ステロイド療法」は認知されていませんでしたが、当時もステロイドを使い続けて症状が改善せず、脱ステに踏み切る患者さんが一定数いました。私は脱ステをしながら、他にも良い治療法を探したり、患者会に参加したりなど、色々と活動してきたので、その都度、様々な患者さんと知り合い、色々と情報交換してきました。

ステロイドの副作用で、仕事を退職した人や休職した方、また結婚や出産を諦めた女性、顔を掻いてしまう事による眼の網膜剥離や、白内障になった方など、単なる皮膚疾患に留まらず、人生のQOLを著しく低下されてしまった患者さんを、本当に多く見てきました。

今思い出しても、ステロイドの副作用によって、苦しんできた患者さんを、ざっと100人以上は見てきたと思います。私自身も、2度休職した経験があるので、自分の様な患者さんを増やしたくないという一心で、フリーコムの活動に参加した経緯があります。

ステロイドを使って、確かに直ぐに改善してしまうケースもあるでしょう。
しかし、私達のようにステロイドの副作用によって、窮地に立たされてしまった患者さんが多数いる事も事実です。

1999年に深谷元継先生が「ステロイド依存」という本を出版されています。
(※アマゾンで、まだ購入可能でした。)
放送の後にこの本を事を思い出し、再度読み返しましたが、やはり1999年の時点でも、相当数の方が、ステロイドの副作用に苦しんでいる事を再認識しました。

そういう状況であるのに、2021年の現時点において、皮膚科学会はアトピー治療には、標準治療(ステロイド)しか、掲げていないのは、自分としてはかなりの憤りを感じます。
なぜ、皮膚科学会はそういった副作用に苦しむ患者が一定いる事に対し目を背けて、ステロイド一辺倒の治療しか、行わないのでしょうか?

ステロイドの副作用をしっかり患者さんに説明し、メリットデメリットを提示した上で、患者さんが、ステロイド以外の治療法も選択出来る余地があるのが、本来あるべき姿だと私は思います。

現状はそういったあるべき姿には、まだほど遠い印象しかないので、ステロイド治療は良い面だけでなく、大きなリスクも伴うことを、伝えていきたいと思います。

もう、ステロイドの副作用に苦しむ患者さんを見たくはありません。
この想いしかありません。

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